富山のほたるいか漁が3月から解禁しました。
毎年全国ニュースで”富山県滑川漁港の初日漁獲風景”が取り上げられ、春の風物詩としてスッカリお馴染みですね。
さて、ここで疑問がひとつ…ほたるいかはなぜ富山が有名なのか?ということです。
日本に広く分布しているはずの”ほたるいか”なのに、なぜこんなにも富山が注目されるのでしょうか?
ほたるいかが岸まで来るから?
ほたるいかの味が美味しいから?
この記事では、これまで知っているようで知らなかった内容を、地元民の視点から深掘りしてみますね!
”ほたるいか”はなぜ富山が有名なのか、また漁獲量や解禁時期・人気のお土産も調査します!
ほたるいかはなぜ富山が有名?
![ほたるいかはなぜ富山が有名](https://blognotobira.net/wp-content/uploads/2023/04/20230327_022700_0000.png)
ほたるいかは、世界に約40種類が確認されています。
日本ではホタルイカモドキ科のほたるいかが、北海道から日本海全域と太平洋側の一部(土佐湾付近)で生活しています。
日中は200m以上の深い層へ、夜になると50m程の浅瀬に浮上を繰り返しています。
中でも”ほたるいか”に大人気のエリアは「富山湾」です!
毎年数十万匹の大群で海岸まで来るのは世界でも珍しい行動のようなんですが、そこまでほたるいかを虜にする”富山湾の魅力”とは一体何なのでしょうか?
”ほたるいか”はなぜ富山が有名なのか、その理由を一緒に調べていきましょう!
妊婦ほたるいかの最適なお産場所!
![妊婦ほたるいかの最適なお産場所!](https://blognotobira.net/wp-content/uploads/2023/03/20230327_011408_0000-1024x576.jpg)
春になると”ほたるいか”はなぜ富山に来るのでしょうか?
それは”妊婦ほたるいか”の最適な「お産場所」だからです!
ですから富山湾に集まるのは産卵期の”雌”のほたるいかだけなんです。
1月から3月頃、雄の”ほたるいか”が、気に入った雌に腕からカプセル(精子入り)をプレゼント☆
彼女達はそれを受け取り体内で受精させ、出産時期が来ると富山を訪ねます。
1回のお産で卵を約2000個、数珠状に”ゼリー状に包み1m程の長さにして、海中に生み放ちます。
![ほたるいかのお産](https://blognotobira.net/wp-content/uploads/2023/04/png_20230402_003138_0000-1024x576.jpg)
このお産は5回程度に分けて行われるとみられ、合計1万個程の卵を産みます。
富山に到着した彼女達は、太陽が沈みだすと海面に上がり岸に近づいて出産の準備、夜中に出産し、空が明るくなる頃に深海へと戻っていくのです。
雌のほたるいかには寿命1年間の最期に、この”お産の大イベント”が待っています。
老後の最期に、大仕事を乗り切るためにも、最も負担の少ない場所として選んだのが”富山湾”だったわけですね。
富山湾の特徴とは?
![富山湾の特徴とは](https://blognotobira.net/wp-content/uploads/2023/03/png_20230322_103150_0000-1024x819.jpg)
”妊婦ほたるいか”は5回に分けてお産を行うため、しばらくその周辺にいなくてはいけません。
ということは、近くにいつもの生活習慣が行える広さ深さがないと困ります。
”妊婦ほたるいか”が富山湾”を気に入った特徴とは何なのでしょうか?
特徴①「深く潜れる」
![富山湾特徴潜る](https://blognotobira.net/wp-content/uploads/2023/04/hotaruika-toyamawan-fukai.png)
岸から少し行くと急に深くなる=直ぐに深く潜れることです。
一番深い場所は1200mメートル以上もあり、「日本三大深湾」の一つに入っています。
ほたるいかの生活場所は水深255~1225mの付近が多く、この富山湾が持つ深さにピッタリ合うことが分かります。
岸付近でお産を終えたら直ぐに深く潜って自身の生活圏に戻れるので、お年頃の体にも優しいですよね。
特徴②「親子それぞれの適温が同じ場所にあるため、移動が少なくて済む」
富山湾は底が深く3層構造のため、1つの場所で必要な海水温度が全て揃っていることです(参照下記写真)
![富山湾特徴3層構造](https://blognotobira.net/wp-content/uploads/2023/03/png_20230325_205656_0000-1024x576.jpg)
妊婦ほたるいかの生息適温は3層(1~2°C・300m付近)、ほたるいかのふ化に必要な水温は1・2層(9℃台以上・3月頃からのと富山湾海上温度)です。
この2つの条件が「富山湾内」1つで揃いますから移動が最小限で済み、5回のお産に全力で臨めるわけですね。
特徴③「山から栄養豊富な水が流れ込む構造」
![富山湾と山の水](https://blognotobira.net/wp-content/uploads/2023/04/toyamawan-yama.png)
富山湾の深層に、3000m級の北アルプスから栄養分豊富な水がダイレクトに流れこんでいることです。
山の栄養分をタップリ含んだ富山湾の海水は、ほたるいか達の栄養食になります。
富山湾は”ほたるいか”の親子に理想の枠組みで、水温環境も親子にとっての快適温度が同じ場所内にあり、しかもその中の海水は栄養豊富です!
富山湾の特徴は、まるで「ほたるいか産婦人科」のような条件が揃った場所で、人気エリアベスト1になるのも頷けますよね!
国の特別天然記念物「ほたるいか群遊海面」って富山のどこ?
国の特別天然記念物「ほたるいか群遊海面」とは、「ほたるいか産婦人科」に来院⁈する妊婦ほたるいかが滞在する一帯のことです。
富山県富山市水橋から滑川市(なめりかわし)~魚津市の海岸沿い約15㎞と、沖合約1.3㎞の海域を指します。
![ほたるいか遊海面](https://blognotobira.net/wp-content/uploads/2023/03/Screenshot_20230324-114659-1024x991.jpg)
ほたるいかを保護する目的で大正11年(1922年)3月8日に「天然物指定」、昭和27年(1952年)3月29日に名称変更「特別天然記念物指定」されています。
この富山湾でよく目にする現象の中に「ほたるいかの身投げ」があります。
![ほたるいかの身投げ](https://blognotobira.net/wp-content/uploads/2023/04/png_20230401_190246_0000-1024x576.jpg)
砂浜に打ち上げられてしまい発光する”妊婦ほたるいか達”の姿のことです。
発光する理由には「威嚇・惑わし・仲間とのコミュニケーション・餌寄せ」の意味があるようですが、この場合は急なハプニングへの抵抗で「威嚇」でしょう。
本来は生き延びるために発光したはずなのに、目的叶わずで本当に残念です。
ですが、その存在感に勢いに、心動かされた人々が見逃さずに「特別天然記念物」に認定してくれたことを報告しておきますね☆
ほたるいか漁獲量1位はやっぱり富山?
![ほたるいか漁獲ランキング](https://blognotobira.net/wp-content/uploads/2023/04/png_20230401_183940_0000-1024x576.jpg)
ほたるいか漁獲量1位は富山ではなく、実は「兵庫県」がトップなんです。
富山県は2位なのに「1位はやっぱり富山だよね」と思わせるのは、何より”妊婦ほたるいかが選んだ人気1位エリア”だからではないでしょうか!
「富山湾はお産がしやすい!」と妊婦ほたるいか間で口コミ⁈が広がったかはわかりませんが、大群で集まってお産をする地帯は、世界のどこを探しても他にはありません。
もう一つ考えられるのは、1984年以前までは”ほたるいか漁”を行っていたのは「富山湾だけだった」ということです。
富山湾は古くから定置網漁区域として大きな役割を果たしてきました。
その「歴史の長さ」も、漁獲量1位はやっぱり富山だと思わせているのかもしれませんね。
富山湾唯一の「ほたるいか定置網漁」とは?
![ほたるいか定置網漁](https://blognotobira.net/wp-content/uploads/2023/04/png_20230401_221231_0000-1024x601.jpg)
富山湾唯一の「ほたるいか定置網漁」とは、どんな方法なのでしょうか?
妊婦ほたるいかが夜中に海上で産卵を済ませ、家に帰るその途中に網を仕掛けます。
それは岸から沖へ1キロほど進んだ水深50mの位置、低地網が設置されます。
漁は明け方4時頃からの1回勝負、網を引き揚げて「産卵後のほたるいか」を漁獲する方法です。
そのため資源の保護に配慮した漁法と言われているんですよ。
この”ほたるいか定置網漁”は、日本で唯一「富山湾」だけで行われています。
地形からみると、どうやら富山湾でしか行えない方法のようです。
解禁時期は?シーズンはいつまで?
富山湾のほたるいか漁の解禁日は毎年3月1日、4・5月が最盛期で、6月頃まで続きます。
兵庫県は1月下旬から始まり、3・4月が最盛期で、5月頃まで続きます。
場所によって海水温度が違うため、解禁時期・シーズンが異なります。
また、海水温度(ほたるいかの適温11~13℃)により、漁獲量も違ってきます。
ちなみに、2023年の富山湾・滑川漁港では初日の水揚げが59匹にとどまり、記録的不漁と発表していました。
理由は「水温が適温になっていなかったため、妊婦ほたるいかがまだ到着していなかった」とのことです。
3月末現在では海水が14℃程まで上昇し始め、いつも通りに到着しているようで一安心です!
2023年今後の予想は、4月の平均気温がいつもより高くなるようで、漁の適温は短くなり、漁獲時期が短くなるようです。
ニュースでは「富山産・兵庫県産比較」も!
![ほたるいか富山兵庫](https://blognotobira.net/wp-content/uploads/2023/03/png_20230326_002708_0000_2-1024x576.jpg)
大きさやプリプリ感が、こんなにも違うんですね!
ほたるいかの人気のお土産をご紹介!
ではここからは、ほたるいかの人気のお土産をご紹介しますね!
ほたるいかを使ったお土産は様々で、ほたるいかの刺身・昆布締め・冷凍しゃぶしゃぶ・素干し・燻製・沖漬・黒作り・塩辛・甘煮など、迷いますよね。
ただ、どの料理法を選んでも、ほたるいかは「タウリン」を多く含み、肝臓機能回復・疲労回復・むくみ改善・血糖値改善などの働きを持っている優れた食品です!
お土産なのか、贈答用なのか、自分用なのか、いくら迄なのか、等で選択肢も変わってきますね。
ここでは良く買われている500~1000円台程度のお土産についてご紹介してみますね。
「ほたるいかの素干し」
![ほたるいかの素干し](https://blognotobira.net/wp-content/uploads/2023/04/hotaruikanosubosi-300x169.jpg)
ホタルイカ関連の人気土産1位は「ほたるいかの素干し」です!
「インパクト十分・美味しい・軽い」と、お土産に相応しい3拍子が揃っています!
茹でずに生のまま干したもので、写真のように炙るのが人気です。
中でも富山で一番の人気商品は、富山県魚津市「浜浦水産」の「ほたるいか素干し」で、20年も前から、テレビや雑誌に取り上げられ続けています。
お店で一番人気の商品が”ほたるいか素干し”で、人気の秘密は「とにかく原料のフレッシュさ・心込められた細やかな手作業・迅速で丁寧な対応」のようです。
「品質と低価格の追求とチェック」に社長ご自身が関わり、自信を持って発信されています。
ネット「んまいちゃ便」(んまいちゃ=おいしい)を利用すれば全国どこからでも購入できます!
「ほたるいかの素干し」の賞味期限は約2か月間で、要冷蔵(10℃以下)で保存します。
冷凍保存すると約6カ月程持ちますが、味は時間と共に落ちるようです。
家庭冷蔵庫は開閉が多いので温度が下がりやすく、開封したら早めに食べるのがいいようですね。
ほたるいかの沖漬け
![ほたるいか沖漬け](https://blognotobira.net/wp-content/uploads/2023/04/hotaruika-okizuke.jpg)
ほたるいかの沖漬けは、生きたままのはたるいかを、醤油の出汁に漬けこんだものです。
中で出汁を飲むと内臓にもまわり、美味しく仕上がります。
1匹あれば、ご飯やお酒が止まらなくなることでしょう!
多くの方の指示を受けていて、お土産2位となっています!
お薦めは「富山県 川村水産 ”プレミアム ほたるいか沖漬”」です。
農林水産大臣賞受賞している商品で、富山湾ホタルイカを、特性の醤油たれと富山湾の深層水を混ぜ合わせて付け込んだプレミアムな沖漬けです!
匂いのクセがなく、目も取ってあり、透明感あふれる水を使用することで素材のうまみが更に際立つ、品格漂う逸品です!
ほたるいかの沖漬けの賞味期限は、冷凍庫では3カ月、解凍してからは冷蔵庫で2か月、合計5カ月で食べきるようにしましょう。
今回のまとめ
![ほたるいか今回のまとめ](https://blognotobira.net/wp-content/uploads/2023/03/20230327_014813_0000-1024x576.jpg)
ほたるいかは富山が有名な理由を調査してみましたが、いかがでしたか?
漁獲高こそ1位ではないですが、「晩年妊婦ほたるいか達」の、何としてでも子孫へ命を繋ぐという強い決意が、富山湾から人間へと辿り着いたのではないでしょうか。
「最適な環境は最高の人生を創る!そしてその環境は自分で選ぶことが出来る!」
妊婦ほたるいかに、そう教えてもらったような気がしました。
今日は”ほたるいか”はなぜ富山が有名なのかを調査しながら、漁獲高や解禁時期、人気のお土産をご紹介しました!
- ほたるいかはなぜ富山が有名?
- 妊婦ほたるいかの最適なお産場所!
- 富山湾の特徴とは?
- 国の天然記念物「ほたるいか群遊海面」って富山のどこ?
- ほたるいか漁獲量1位はやっぱり富山?
- 富山湾唯一の「ほたるいか定置網漁」とは?
- 解禁時期は?シーズンはいつまで?
- ほたるいかの人気のお土産をご紹介!
- ほたるいかの素干し
- ほたるいかの沖漬け
- 今回のまとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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